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2020年3月12日顎関節症について
今回は顎関節症について簡潔にお話します。
日本顎関節学会より、顎関節症とは顎関節や顎を動かしている咀嚼筋の痛み、顎関節雑音、開口障害あるいは顎運動を主要兆候とする障害をとりまとめた病名のことを指します。
実は顎関節症はいわゆる生活習慣病と呼ばれる肥満、糖尿病などと同じく病気の因子が複数あるという側面があり、その複数の因子(環境因子・行動因子・宿主因子・時間的因子)が重なって発病するという病気なのです.また、男性と女性では女性のほうが患者数が多い傾向にあり、それは環境因子として普段の家事が関わっているのではないかと考えられています。
私も大学生のころ顎関節症になったことがあり、コンビニのおにぎりすら満足に食べることができないほど口が開かず、開けようとすると強ばったような鈍い痛みが顎に走りました。近くの歯科を受診したところ、強い食いしばりがあると言われ一時的なものだろうと判断されました。
実はそのとき大学の試験期間で非常に詰め込んだ日程になっていたため、寝る間も惜しんで試験勉強を行っていた際に強い食いしばりが起こっていたこと(行動因子)と、その試験のプレッシャーによるストレス(環境因子)が要因で顎関節症を発症していたと推測されます。その証拠に試験期間が終了してから(すなわち、二つの因子がなくなってから)2日後には以前と同じように口を開ける事ができ、痛みも全くなくなり、今日に至るまで再発していません。
多くは私の症例のように寛解するケースがほとんどであり、その後の自己管理により再発を防ぐ事も可能です。
また、命に関わるようなものでもなく、日常生活に著しい障害を及ぼすようなものでもありません。
昨今パソコン作業が増え、人間関係も難しくなりストレス社会と呼ばれる現代では顎関節因子は昔に比べ多くなっていると考えられます。その中でいかに因子を減らすか、これは自己管理により可能です。しかし、自覚症状がある場合、遠慮なく歯科に相談することを推奨します。
当院では初回のときに顎関節の異常を診察し、また、患者さまご本人からその訴えがあった際にはカビネと呼ばれる顎関節規格撮影を行っています。その画像から診断を行い患者様に治療のご提案をさせていただいておりますので、遠慮なくご相談下さい。